⑤【そしてインカレ】〜学連のみんなへ〜

インカレ一日目

 

そんなことがあったから逆に、優勝にこだわらなくて、変なプレッシャーがかからなかったから、1本目からピン取れた!!やるだけやってきたし、何のために練習してきたかって、レースで前走ってウハウハ気分を楽しむためじゃん!って思ってレースしてた。

 

一本目のスタート1分前、

サラが上で待機してて、私はサラとぶつからないために、上ピョコとポースタはしないと決めてたのに早速上ピョコしようとして、本部船のところで待機してた。

サラが明らかにスタートラインから出ていて、大丈夫かなーと思っていたら、やはりリコールだったね。

私は確かスタート、上ピョコして潰されて、もともとスタートラインから見て右に行きくて、本部船のアンカーの紐がどれだけの長さか確認していたから、引っかからないところまでスタボで何漕ぎかした後、即タックして右に行った。気持ちよくストラップハーネスで、本部船の上にいるメンズたちを見下ろしながら右に行った後、ブローがなくなった。

 

ふとスタボでそのままスタートした人たちを見たら、左側にすごい安定して風が入っていて、みんなストラップハーネスしてた。うわ、これはビリだ。と思った。

左に行ってみんなと同じブローの中に入りにいこうかと思った。けど、あまりにブローがなさすぎて、リーパンで左に行ったら、ビリになると思って、出艇直後右にブローが入っていたから、右からまたブローが来ると信じて、右にいる数人たちとバトってた。

 

そしたら、上マークまでまっすぐちょうどアプローチできるブローが降りてきた。

神ブローだ!!!ってなった。これは勝ったとニヤニヤした。

 

 

世界選手権で緊張するようなレースをたくさんこなして来たからこそ、レースでリラックスして臨むのには自信があった。

だからレースはライバルをそこまで意識せず、めーっちゃ楽しめた!

まくってピンとった時の快感は最高!FUUUUってレース中叫んでたよ!

フィニッシュして、普段はピンを取っても、最後まで気を緩めないために全然喜ばなかったんだけど、このときは喜んだ!

そしたら、本来ライバルであるはずの保護者の観覧船から、拍手とおめでとうっていう歓声が聞こえてきて、とっても嬉しかった!素敵なおとんぴーとおかんぴーたちだよ。

 

 

2レース目ズボッて4年間で一番悪い順位をとったけど、2上トラッカー二番のまま上ってて、絶対それのせいだと思った笑

トラッカー二番のまま上るミスは初めてしました。びっくり。レース終わるまで今までしたミスは全然しなかったけどね。

 

1レース目ピンだったぶん、あれは本当に運が良かったんだなってそのときは思った。ああ、いつも通りズボり散らしたよってなった。お昼休みは初戦ピンとった嬉しさと、ズボってほぼビリ走ってテンション下がったので中和されて、そこそこテンション低かった。

 

 

普段めっちゃまくれるのになぜか全然まくれないんだもん。けど、後悔しないために全力で漕いだ。1ポイントでも減らすために。

まあ、でもそんなミスしなければ絶対もうズボリすぎはしないと思ったし、ズボッてもハロウィンのことがあったから3レース目冷静さを保ってまたピンとれた!

3レース目はポースタのブロー来てるのが下から見て左奥の浜際に見えて、どんどん降りて来てたから、1人でポースタ待機した。

去年だったかな、インカレで左奥にブロー入ってて三浦圭くんが速い人集団で1人で下行っていいスタート切ったの思い出したんだそのとき。これは圭くんブローだ!って思った笑。ちなみに湘南選手権かどっかでも同じことしてたよね圭くん。

 

ライバルたちが、ポースタブローに気がついていなかったし、1人で行ってるし、みんなリスキーだから真似したがらないよね、そのままポースタガンギマリするんだ。奥田さんがツイキャスでダントやんかれーんって言ってて、見返しながらニヤニヤしてます。

 

ただ、支部戦でポースタ待機したとき、なつみちゃんと一緒にポートスタートしてなつみちゃんがピン取ったことがあってん。

 

 

今回もなつみちゃんは、私のこと見て一緒にポースタしよって思ったんだろうな。

少し遅れてたけど、なつみちゃんも私の次に下の方からポースタして、2人だけの上らせ走らせあいバトルが始まります。

 

ちなみに余裕で負けて置いてかれました笑。ダンピンコースだと思ったのに笑

なつみちゃんのストラップハーネス速すぎる笑。

 

 

そのあとブローが弱まって、リーパンくらいになっちゃって、そのとき確か、私たちのさらに後からスタートしたなのちゃん(京大4回生)(と多分海ちゃん(上智大学4年生)も)が、ブローにしっかり噛んで、なつみちゃんと私よりも激上りしてすっごいゲインしてたんだ。私たちはそこそこ走らせてたから、なつみちゃんと一緒に、強いブローまで戻れなくなっちゃって、一上7位になってしまいます。

 

追いブローで少し抜かして、一下回ったあと、へこってたけど、みんなよりポートで奥まで突っ込んで、返したらみんなよりもスタボがものすごく上るリーパンのブローをつかみます。早めに返した人たちは、スタボでストラップハーネスしてたけど、結構奥まで行って戻って来れなくなってたね。

 

リーパンめっちゃ漕いで、二上は確か、、2位だったっけな、確かまだそのときは海ちゃんが前にいた気がする。下りの追いブローでアンダーばち漕ぎして、抜かしました。筋トレの成果でアンダーのパワーえっぐいよ。追いブローのアンダーで抜かす時は最高に気持ちいい。

下マーク回航後、アビームでアンダー漕いで、そのときはストラップに前へ進むように前方向にしっかりパワー入れて漕げたから爆速だったね。海ちゃんとさらに差をつけて、ジャストでプレーニングできるブローが降りて来て、アップホール持ちしながらフィニッシュしました。最高だった。

 

フィニッシュのホーンが鳴らなくて、あれ!?って振り返ってびっくりしたけど、持ってる人がわたわたしてて、あ、なんかの不具合だなと思ったら鳴りました。嬉しかったあ。このときもツイキャスには映ってないけど、フィニッシュでガッツポーズしながらやったーーーって喜んでるよ。

次のレースのスタートも、ホーンの調子が悪くて一度スタートがキャンセルになります。そうそう、ツイキャス見ながら結構思い出して来たよ。

 

4レース目

 

スタートラインから見て、左奥にブローがなくて、風向が右で安定しててえげつないスタボが上るから、これは1000パーセント上有利と判断して、スタート1分くらい前に上一に入って、めっちゃ良いスタートを決めました。しかーし、1分前のホーンが調子悪くて鳴らなかったんだよね。

スタートして、旗が上がって、恥ずかしながら何の旗かわからなくて、そのままレース続行するやつだったら、漕ぎやめちゃダメだと思って全員が漕ぎやめるのを待ちながら、あれ何の旗〜!?って周りに叫ぶもガン無視されました笑。みんな緊張してるから仕方ないよね()

 

せっっかくめっちゃ良いスタートだったのになあと思いつつ。

もう一度スタートし直すことになって、有利エンド変わったらどうしようって、上有利に不安を覚えます。

 

まあ、まだ左奥にはブロー来てないし、まちゅ(通称:風読み女。ヨット経験者の上智大学4年生)も上にいることだから、おっけーしょ、と思ったけど、コース全然考えてなかったからスタートギリッギリまでブローがどこか海面を睨んでいて、1人で本部船のところにいて、5秒くらい前に時間がまずいことに気がついて、慌ててラインに入ろうとするも、ちょっと遅れます。

 

海ちゃんはブロー掴んでそれはそれは楽そうにハーネスかけて上る中、必死に航跡から逃げるように、誰よりも一生懸命にリーパンを漕いで上らせます。

 

そのまま海ちゃんはどんどんゲインしていって、一上トップ。

 

そのまま追いかける形で一上2位でした。サラが反対側から来て、どっからやって来た!?ってなったけど、後から別の人から、サラがかれんちゃんどっからやって来た!?って上マークで思ったって笑お互いに不思議だったんだね笑

頑張って漕いで、海ちゃんをまくって、二上

サラが少し速くタックして、上受けタックしながら二上、二下下って、結構差がある状態でフィニッシュライン。

漕ぎながらこのままピンだな、4本中3本もピンかあ、やったなと思ったら、サラが後ろから爆漕ぎして来て、私も漕いでたけど、気がついたら私の上にいた。

被されて、体力も限界だった私はそのままピンを譲ることになりました。

ライバルながら、めちゃくちゃかっこいいと思ったよ。サラのピンフィニッシュ動画何回見ても鳥肌立つ!

フィニッシュした時、ウワーーーッ!ヤラレターーって思わず叫びました。サラが「最後まで油断するなよ♡」って言って来て、もう本当やられたと思ったわ。サラが勢いづいて来て、サラが優勝する流れきてるなとも思った。

 

 

それでも、帰着した後、海面がすごく難しかったけど、なんとか当てることができて、インカレ4回目の人は今年私しかいなかったから、このコンディションのレースもあのレースも、過去にやったことあるぞーーって、海面が手に取るようにわかった。

けど、一日目終わった時は、全力で漕ぎすぎて屍のようになってました。レースは死闘でした。

夜中に目を覚ましてしまって2時間くらい眠れませんでした。不安でいっぱいだったんですね。けど、過去のインカレのリザルト見て、2レース目インカレ4回中一番悪いリザルトだったので、ただのミスだとわかってホッとしたら眠れました。

 

 

インカレ二日目

 

5レース目、下からスタートします。珍しくポースタ迷って、下一スタートは間に合いませんでした。

確か一上ちょっとズボッて、一下二上で抜きつ抜かれつで、二下でメンズがたくさん出て来てライバル見失って、12位くらいについちゃうんです。危うく12位になるとこだった。あーーっ、終わったーって一瞬思った。けど、下マーク回航後、上に出て少しだけあるブローでめっちゃアンダー漕いで3位までまくります。でも1位のなつみちゃんのところまでブローが続かなかったー。結構悔しかったー。

だけど、なつみちゃんとサラ、青学ワンツーフィニッシュで、サラがなつみーー!って叫んでて私も嬉しかった。

 

この後、大島萌ちゃん(京大2回生)にコース取りを聞かれた時に、なんとなくは理解していた海面を、しっかり理解することができ、5レース目の細かいミスも全部復習することができて、6レース目に活かすことができました!もえちゃんありがとう!

 

6レース目

 

5レース目の反省を活かして、見通しを取り(まさかの海面睨みすぎて5レース目見通し取り忘れました。)、下側のラインが落ちていたのを見て、周りより先にポートスタートします。(動画ではよく見ると少し埋もれちゃってますけど笑)

ポートリフトに乗せながら得意のリーパン風で、ガンガン漕いで、気がついたら近くには、とくもも(徳村百花:大阪大学4回生)しかいなくて、大きくヘコリ始めたのでそのままタックしたら、とくももの上につくことができました。

えげつないスタボリフトで全員スタボに返し、そのまま少し待っていたら、上マークまでオーバーアプローチになる爆ブローが来ました。

ダガーにしたような気がする。一番最初にポートに返して、爆走。

1上はピンでした。

ブローを繋いで下って2上。ポートで伸ばして後ろの人がタックしたらタックしようと思いつつも、どこかでスタボで入れ直さないとと思っていました。

しかし、レディースの2上のマークは第二マーク。第一マークよりも左にあります。ブロー的にはポートで奥まで行ったら、一本で余裕でアプローチできる位置にありました。

スタボリフトが少し弱い風でしたが入って来たので、(これ以上行くとスタボリフト掴めない可能性の方が高いかと思った。)スタボリフトに噛ませて、とくももより先にタックしました。とくももとまちゅがそのまま伸ばしてさらに強いスタボリフト(ついさっきまでそこまで上るブローに見えなかった)目指しているのを見て、あーやらかした。と思ったら案の定2上でとくももとまちゅに抜かされました。

第二マークから見て左に行くとくももとまちゅを見ながらアンダーを漕いで右に伸ばし、(定期的に右からブローが下りていたので。)右から来たブローに乗せてとくももとまちゅをアンダーを気持ちよく漕いでまくって、1位フィニッシュしました。

このときのレースは、抜かし抜かされでハラハラ感がすごく楽しかったです。

けど、まあ精神的にこの時余裕がなかったのもあって、フィニッシュ後一番喜べなかったレースでもあります。一位取ったやったー!ではなく、ふう、一位だったって感じでした。この時あたりから、一位はまぐれじゃない、このまま走れば優勝狙えると、気持ち的にしっかり優勝を意識し始めます笑(遅い)

 

 

7レース目

 

この時は下一ポースタを決めました。(すみせい(炭田聖奈17-17:神戸大学4回生)にポースタ待機中、下一をキープされて潰されかけますが、バックして下一キープし直して耐えました。)

今いい感じにピンだなあと気持ちよくストラップハーネスしてたら、サラが下からストパンを漕いで来ました。そのまま並走していたはずなのに、サラのストラップハーネスはえげつない上るので2位につけてしまいます。

スタボにどこかのタイミングで入れ直そうか迷いましたが、そのままサラにダントツで先を越される未来が見えて嫌だったので、サラについて行って、抜かすタイミングを探すことにしました。この時、入れ直した人たち早かったです。サラはスタボのリフトに上手く噛んでダントツでピン回航。

追いかけるようにしてスタボに返すも、ブローがなくなって苦戦します。

第二マークを回航したあたりで、72-10渡辺じゅんなちゃん(鹿屋体育大学3回生)が、後ろからすごいアンダーを頑張って漕いで来て、徐々に距離を詰められ、抜かされてしまいます。

1下回航後、サラとじゅんなちゃんより、ポートで奥に突っ込み、いい感じに上につけます。

しかしじゅんなちゃんが先にポートのブローに噛み、ポートに返されて、私は2人の少し上でポートに返すも、吸われてしまいました。

2上回航後なんとか漕いでじゅんなちゃんをまくりますが、サラまでは抜かせず、2位フィニッシュでした。サラ速い。

 

二日目終了後、屍のようになるかと思いきや、そうでもありませんでした。

けど疲れすぎて食欲は全くなかった。(インカレ終わるまでに太るかと思いきや2kgくらい痩せました笑)

脱衣所で髪の毛を乾かしている時に、固くてなかなか取れないはずの、軟骨のピアスが一つ取れているのに気がつきました。

今年軟骨のピアスが取れたレースは伊勢湾くらいでした。ものすごい漕いで必死になったレースでしか取れたというイメージがなかったので、壮絶なレースだったことを改めて思い知らされました。

夜、ここまで無事にレースを消化できたことに感謝し、1位を走ったことに自信をつけ、最終日も道具を壊さず、衝突しないことと、全力でレースを楽しむことを目標にし、眠りにつきました。

 

三日目

 

カーテンを開けたら予報が外れて木々が全く動いていませんでした。

微風の方が得意なので嬉しかったです。

ただ、天気が悪くてちょっとテンション下がったかな。天気悪くても不思議と不穏な空気には感じませんでした。

 

滅多に手の皮が剥けないのに手の皮は剥け、全身疲労が溜まり、みんなも私も身体中ボロボロでした。

しかし、先日ボクシング界で優勝した井上尚弥さんのことを思い出して、これくらいの傷、ボクシングで受ける痛みに比べれば、痛くなんてないと思うことにしました。

 

セッティングは端っこだけど浜際で、飛ばされてもフィンに刺さらないように周りのフィンを下にしてもらって、セイルからは離れませんでした。

心臓の音が周りに聞こえそうなほどうるさかったです。

森平(46-17明治大学4年生)とフェニ(12-0京大4回生)が握手しているのを見て、急に泣きそうになりました。

4年生学連最後のインカレ、最終日ラストラン、泣いても笑っても最後でした。

 

 

 

D旗掲揚後、下りながら浜際のブローと、沖にブローラインがあるのを確認しました。

浜際の方がブローが強かったのですが、第一マークに向かうには沖のブローラインを使う方が噛みやすいかと思い、とても迷いましたが沖のブローラインを使うことにしました。

 

8レース目

 

スタート前、スタートラインに一度入りましたが、上にサラとまちゅが待機していたので、慌てて本部船に戻ってスタートラインに入り直しました。

スタート後即タックして、スタートラインから見て右に行きます。サラたちもすぐについて来ました。

本部船の上にメンズたちがいたので、「早く!早くどいてーっっ!!」って叫びました。

すぐに避けてくれて本当にありがとう。ぶつかるとこだった。

 

ただ、そのあとどんどんサラに被されて、結構しんどい状況になりました。思ったより下

有利だったようです。しかし、へダーして行き、みんなを吸って行きます。

みんながタックしてからタックしようと思っていたけど、先にタックした方がスタボで前切れて戦況有利になるかと思い、タックしました。

スタボで前切るものの少し奥にあったやや強いブローに乗られて、どんどんまくられてしまいます。

そのまま第一マークまでスタボがどんどんへダーし、ポートがものすごいリフトして、もえちゃんがダントツで一位回航するのが見えました。

ライバルたちを抑えるのに必死でしたが、抑え切れず、1上は15位でした。

ブローに噛ませてプレーニングで下らせて下らせて、かつかつ下らせてる人たちをまくろうと思ったら、ジャイブポイント早すぎて、ブローに上手く噛まず、そのままの順位で下回航します。

 

2上、下から見て左に寄せようとするのですが、タックポイントが見つからず、周りにいたメンズたちに惑わされてそのまま伸ばし、結局ブローに噛み切れず、漕いでも漕いでもまくれませんでした。下りでまくりたくても、その時にはブローが弱まって得意のアンダーも発揮できませんでした。雨がざーっと降ってきて、ただならぬ雰囲気を感じました。(ゲームで言ったらいよいよラスボス戦って感じの雰囲気でした。)

フィニッシュは13位でした。

 

8レース目終わってみると、最初は近くにいたサラと、1上の時点で離されてしまい、ライバルたちとぐっと点差が縮まってしまいました。

 

この時点で私のポイントは23ポイント、2位のサラのポイントは28ポイント、3位のまちゅは30ポイントでした。(今計算してみたら4位のマヤちゃんは31ポイントでした。)

 

8レース目と9レース目、6位以内を走っていれば大丈夫だと思っていましたし、ズボッても10位以内と思っていた私はかなり焦りました。

 

フィニッシュ後

 

自分の優勝は自分が一番信じるしかないと思いました。

絶対優勝できるから、あせらないで、落ち着いて、大丈夫と自分に言い聞かせました。

絶対大丈夫、絶対大丈夫と小さくつぶやいていました。

なんなら、この状況を楽しもうと思い、ライバルたちもよくやるな、いよいよ面白くなってきたなと思いました。

 

しばらく本部船で待機していると、すごく上の方で爆ブローでセイルを落としているサラが見えました。最終レースに向けて練習していたのでしょうか、私も練習しないとと思いましたが、なかなかセイルが上がらないサラを見ておかしいなと思いました。

すると爆ブローが降りてきて、みんなセイルを落としてしまいました。

MAX20m吹いていたと噂で聞きましたが、本当なのでしょうか。

ポルトガルで感じた爆風に比べたら余裕だと思ってしまいました笑

近くの後輩が半べそだったので、絶対帰れるから大丈夫だよと声をかけていましたが、まさかのこのタイミングでアップホールラインがちぎれてしまいました。

自分も早く帰らないと、このまま流されるとタックを何度か入れ直さないといけなく、帰るのが大変だと思ったので、気合いでセイルアップし、そのままプレーニングで一度しかタックを入れ直さずとにかく浜に向かって帰りました。

 

米軍の端の浜に着岸し、出艇エリアまでとても距離がありました。

しかし、ここで出艇し直して、アップホールラインが完全に切れてしまったら、セイルアップできなくなりますし、道具をどこかに引っ掛けて帰れなくなったり壊す可能性を考えると、浜から道具を歩いて運ぶ方がいいと思い、近くにいたみんなと一緒に道具を運びました。

セイルだけ出艇エリアまで運んで、帰着申告だけとにかく間に合わせたかったので、1人ダッシュで帰着申告し、セッティングを変えている間に、後輩にボードを運んでもらいました。あっくんまじでありがとう。ボード運んでいたら、最終レース全力で漕げなかったと思う。

 

ここで一旦メンズの最終レースを挟みました。

 

風がまた上がる可能性もあって、そこそこ風があったので様子見も兼ねてだったのでしょうか。

メンズたちは28の6セッティングで出て行く人もたくさんいました。なんならほとんどだったはずです。

レディースみんなで出艇を手伝い、見送りました。このときのメンズの後ろ姿は全員本気でかっこよかった。

 

3年前のインカレの三日目も、風が強すぎてメンズを見送って、観戦した記憶があったので、双眼鏡を持ってきていた私は、のんきに飲み物と大好物のおやつ(ビーフジャーキー。大好物でも全然食べられなかったけど無理して食べた。)を持って、浜際でみんなと一緒に観戦していました。

みんなで、「誰あのスタート上手い人!(あきもん(上智大学4年生最終レースダンピン)でした)」とか「ポースタ狙った人みんな死んでる!」とかきゃーきゃー言いながら、トップ艇を目で追って、スタートの有利とコースをばっちり把握しました。(インカレは、最終レース以外、レディースがメンズより先にスタートするので、レディースは誰のスタートも参考にすることができませんでした。ドリームカップでも、フォイルの選手のコース取りしっかり見ていたおかげで優勝できたので、メンズのコース取りや風の取り方の把握には自信がありました。)

 

 

風が途中で上がったらどうしようとギリギリまで28の6で張っていたのですが、みんな26の5に変えていたので、26の5に変えていたら、これまでレディースで一番最初に出艇していたのに、ほぼ最後になってしまいました。

 

慌てて出艇したら、フィニッシュしてきたメンズとすれ違いました。

一人一人、「かれんちゃんなら絶対走れるよ!!頑張れ!!」って応援してくれました。

ラストランでただでさえ悲しくて切ない気持ちなのに、追い打ちをかけられて泣きそうでした。涙声で「おうよ!!!」としか言えませんでした。

 

さあ、ここまできたら、さっき見ていたコースを走るだけ。

 

自分を奮い立たせ、集中します。

 

スタートラインでは次々とライバルたちが下に流れていきました。

スタートラインの見通しギリギリを攻めながら、みんなの上からアウターマークへと進んでいきました。(黒髪だったから何も怖くなかった!)

ポートスタートは、スタボが下から切れてしまうので、この時はやりませんでしたが、サラはポートでスタボ艇を待ってスタートしていました。(かなり勇気が必要なことだったと思います。)

 

スタボである程度左に突っ込んで、へダーしたタイミングでタックしました。しかし、思ったよりも上らず、サラに吸われてしまいました。(本当、ブローのせいだけじゃなくてサラのストラップハーネスはよく上る。)

そのまま下にいたライバルたちを上受けしながら、1上は3位でした。この時サラはめっちゃ遠くに見えました。

1上回航後、アンダーで必死にまちゅをまくりました。浜際までスタボでアンダー漕いで、レージャイ決めてプレーニングで下マーク回航しました。(メンズ見てくれてるかなーと思いながらめちゃめちゃイキってました。)

2上、最後までサラをまくる気でいたので、サラと少し逆の海面に行きました。(ずぼらない程度で。ツイキャスでりんさんが欲を出して逆行ってずぼらないか心配してくださっていました。)

下マーク回航後、サラはポートで伸ばし、私はスタボに返しましたが、なのちゃんとミートしてぶつかりそうになります。

スタボ主張何回も大きな声でしてやっと止まってもらい、(お互い必死だからね。)前を切ってそのあとポートリフトに噛ませるも、へダーしてなのちゃんともう一度ミートしてこの時はなのちゃんに前切られます笑。

 

上マークがすぐそこに見えて、結構強めのブローに噛んでいるのに、どっちの向きでも全然上らないへダーばかりで上マークの下を行ったり来たりしました笑。

 

最後なんとかポートリフトを掴んで、ラストスタボアプローチ、風なくなって回航できるかできないかのギリギリで、ここで回航できなかったら、すぐそこに迫っているまちゅにまくられそうだったので、へとへとでしたが気合いで上らせて、行けーって小声で祈るように言いながら2上回航しました。

 

そのあとまちゅとの距離がどんどん縮まりますが、サラとの距離は縮まりませんでした。

 

必死に漕ぐ中、フィニッシュしたサラが海に飛び込むのが見えました。

あれ、もしかしてサラが優勝で私はリコールだった!?と思いました。

そして本部船に乗っている人の顔を見たら全員死んでました。(少なくともそう見えた。運営お疲れ様でした。。。)

これはリコールかも、、、と思いスタートラインの景色を思い出してみるも、(サラ以外)私よりみんな出ていたはずでした。

「呼んでください、お願いしまああす!!!」とサマーウォーズ気分で言ったら、「よんじゅーさんのいちー」とだるそうに(公平さを保つためですよね、)呼ばれました。

堪えていた涙がわっと溢れ出てきて、声にならない声が出ました。

 

 

ライバルたちは本当に本当にメンタルもレースも強くて、

三日間苦手風域も少しありましたが、奇跡的にほぼ得意なコンディションに恵まれ、奇跡的に自分のところにブローが来て、優勝することができました。

 

 

 

正直、インカレ前の調子が悪すぎて、インカレ直前、優勝できると思っていませんでした。

インカレ前に親友たちに優勝しようとか、優勝できるよって言われても、「…うん。」って感じでした。

 

今までのレースはせっかく前を走れても、傲慢になってトレーニングをサボらないために、ほとんど喜ばずに、常にさらなる高みを目指してきました。

 

 

けど、オクマでまたレースができると思っていなかったのもあって、ヘルニアを悪化させずにレースができることに感謝して、レースを全力で楽しもう、緊張ばかり不安になってばかりじゃもったいない、楽しんで結果もついてくればこんなに幸せなことはない、とレース前に思っていました。

 

 

 

運動神経悪くていじめられてきて、陰で生きてきたような私が、ウインドサーフィンと再会して、世界中に友達ができていって、怪我や挫折を乗り越えて、最後に最高の結果に繋げることができました。

 

ウインドサーフィンは続けるのが難しいスポーツです。

ちょっとした拍子でセイル破けるし、うねりに巻き込まれれば新品の道具もぐっしゃぐしゃに壊れてしまう。練習だって超ハード。そもそもセッティングがめんどくさい。もう漕げないってくらい漕がされるし、突風が吹けば命の危険にも晒される。うねりのある日は酔うし、暑い日は熱中症になるし、寒い日は手足がもげそうになる。レース中はどんなに優しい人だって怒鳴ってくる。泣き虫な私はウインド人生何回泣いたかわかんない。正直やってらんない。

しかし、お金と時間を投資している分、辞めるという決断も難しく、頑張る先輩や仲間たちと練習するのは楽しかったので、なんとか続けられました。

そしてレースで前走れるようになってくると途端に全てが楽しくなり始めます。

 

 

 

高校三年生くらいまでは早く辞めたいと思っていました。

高校三年生の時、インカレ優勝を目指して、過酷なコンディションでも努力しなくちゃいけないんだと、最後の一年とか想像するだけでも嫌でした。

 

が、今年一年、確かにしんどいコンディションも多々ありましたが、筋肉があれば何にも怖くありませんでした。思い切り練習できる環境が整い、前を走れる練習やレースが楽しく、日々確実に上手くなって成長していくのがとても嬉しかったです。練習しまくったおかげでちょっと作戦を練れば優勝争いもできちゃったし。

 

この一年はあっという間でした。

 

サラがライバルじゃなければ、他の人に優勝を譲っていたと思います。

ライバル視してくれたおかげで、私も対抗心を燃やして頑張ることができました。

ありがとう。

 

感謝を伝えたい相手はたくさんいますが、ちょっとずつ恩返しできたらなと思っています。

 

みんな本当にお疲れ様でした。

一緒に走ってくれてありがとう。

とても楽しかったです。

 

43-1

長島かれん